COVID-19が小児気管支喘息に与えた影響

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  • Impact of COVID-19 on pediatric bronchial asthma

抄録

<p>小児の気管支喘息は呼吸器感染症によって急性増悪することが知られているため,COVID-19のパンデミック当初は,気管支喘息の悪化が懸念されていた.しかし,系統的レビューでもCOVID-19が気管支喘息を悪化させる証拠は得られておらず,小児気管支喘息発作入院サーベイランスでも急性増悪による入院が減少していること,入院例のうちSARS-CoV-2陽性例は少なく,人工呼吸管理例も報告されなかった.</p><p>一方,気管支喘息のある小児の保護者を対象に実施したインターネット調査では,パンデミックに入って,ほとんどの小児の体調は好転したが,長期管理薬が投与されていない小児,受動喫煙のある小児の体調は悪化したことが明らかになった.</p><p>これらから,COVID-19は,急性期には気管支喘息を悪化させる感染症とは言い難いが,パンデミックを経て,日常のコントロールや受動喫煙防止など,改めて気管支喘息管理を啓発する必要性が示唆された.また,今後,COVID-19に罹患した気管支喘息の小児の長期予後を検討する必要がある.</p>

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参考文献 (22)*注記

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