<i>KIT</i>遺伝子変異(Asp419del)が検出された斑状丘疹状肥満細胞症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • MACULOPAPULAR CUTANEOUS MASTOCYTOSIS HARBORING A <i>KIT</i> MUTATION (ASP419DEL): A CASE REPORT

抄録

<p>2歳男児.生後6カ月頃より顔面を除く全身に2cm大までの茶褐色斑と結節が左右非対称に多発した.瘙痒(+),Darier徴候(+).病理では,H-E染色で細胞質が淡い両染性で大型の核を有する類円形細胞がみられ,c-kit染色が陽性であった.血液生化学検査と画像検査で異常所見はなかった.遺伝子解析でKIT遺伝子のexon8領域でAsp419delの変異が検出された.以上より,斑状丘疹状肥満細胞症(MPCM)と診断した.オロパタジン塩酸塩を用いて治療し,初診1年後,瘙痒は改善傾向であるが,褐色斑は残存している.本邦からのAsp419delに変異がある皮膚肥満細胞症(CM)の報告は自験例を含め3例ある.自験例以外の2例はdiffuse CMであり,MPCMは自験例が初である.これまで,小児のMPCMは思春期までに肥満細胞の浸潤を反映した皮膚症状やmast cell mediator-related syndromeが軽快するとされてきた.しかし,近年,MPCMの一部でこれらの症状が遷延・増悪することが指摘されている.そこで,本報告では,本邦でKIT遺伝子の検索をされた小児のCM53例を検討し,その臨床経過について報告する.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 73 (2), 189-195, 2024

    一般社団法人 日本アレルギー学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862500628456064
  • DOI
    10.15036/arerugi.73.189
  • ISSN
    13477935
    00214884
  • PubMed
    38522933
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • PubMed
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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