知的障害特別支援学級に在籍する子どもに「5つのお願い」を試みた事例検討

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タイトル別名
  • A case study of attempted “Five Wishes” to children with intellectual disabilities enrolled in a special needs class

抄録

本研究では,知的障害特別支援学級に在籍する子どもに「5つのお願い(以下,FWと略記)」を適用することによって,どのような心理的変容が見られるかを分析し,その効果について検討した。箱イメージ書き込み法チェックリストを参考とした質問紙による結果から,「解放感」・「安定感」・「満足感」のすべての因子項目において得点の上昇が認められた。このことから,FWは知的障害特別支援学級に在籍する子どもの心理を肯定的に変容させるうえで有効な手立てとなると考えられた。さらに,本報告を通して知的に定型発達している子どもばかりではなく,知的な遅れがある児童においてもFWは効果的なアプローチになり得ることが示唆された。また,本事例を通してFWにおけるカウンセリング技法としての可能性が示唆された。FWは子どもの心的内容を探るための技法の域を超えて,カウンセリングへの導入の意味合いをも持ちうること,FWは感情面での発達が未分化な幼児からアレキシサイミア傾向のある成人までと幅広い対象に適用可能であることが窺われた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862500628479616
  • DOI
    10.34573/jacm.6.0_13
  • ISSN
    24347760
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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