投書という文化 : ポスト・ソビエト期の情報ネットワークとロシアの先住民族の社会運動の歴史的関係

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タイトル別名
  • The culture of appeal : the historical relationship between information networks and indigenous social movements in post-Soviet Russia
  • トウショ ト イウ ブンカ : ポスト ・ ソビエトキ ノ ジョウホウ ネットワーク ト ロシア ノ センジュウ ミンゾク ノ シャカイ ウンドウ ノ レキシテキ カンケイ

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抄録

本稿の目的は、投書という手紙資料の分析を通して、ロシアの先住民族の社会運動において企業や行政と交渉するための知識がどのように共有されてきたのかを明らかにし、先住民族の社会運動と情報支援の関係について考察することである。従来のロシアの先住民族研究は、先住民族の権利を保障するための既存の法律の理念と実態が乖離しており、その差を埋めるために先住民族集団が交渉相手である企業や行政の言説を熟知して交渉の糸口を探る必要に迫られるという不均衡な力関係があることを明らかにしてきた。これらの交渉のための知識は、どのような媒体で、どのような集団を経由して継承されているのだろうか。本稿は、ロシア独自の社会問題を訴える手段である投書に注目する。特に投書における仲介者としての先住民族組織の意義に注目し、彼らが各地の先住民族コミュニティの言葉を言い換え、企業や行政に対して法律用語を多用して交渉を行う「法律の翻訳者」であったことを示す

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