小児急性疾患パス(小児科嘔吐・下痢パス)の作成

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タイトル別名
  • A clinical pathway for acute disease in children with vomiting and/or diarrhea
  • 実践報告 小児急性疾患パス(小児科嘔吐・下痢パス)の作成
  • ジッセン ホウコク ショウニ キュウセイ シッカン パス ショウニカオウト ゲリ パス ノ サクセイ

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抄録

<p> 小児の急性疾患は種類が多く、それぞれにクリニカルパスを用意することは実際的ではない。我々は同様な症状を呈する疾患に対して共通して使用できる一つのパスを作成すれば効率的であると考え、嘔吐・下痢を主症状として入院した小児を対象とするパス(小児科嘔吐・下痢パス)を作成した。本パスの対象患者は、腸重積や髄膜炎が除外され①ウイルス性胃腸炎②細菌性腸炎③感冒性嘔吐・下痢症または④アセトン血性嘔吐症と診断された生後6ヶ月以上7歳未満の小児とした。パスは3ステップから構成され、ステップ毎に設定されたアウトカムの達成を確認した後、次のステップに移行する形式を取った。ステップ1は急速輸液により脱水の改善をはかるステップである。ステップ2は維持輸液を施行中のステップであり嘔吐・下痢の改善を確認した後、点滴を終了する。ステップ3では、点滴終了後に症状の悪化がないこと、食事・水分の摂取が良好なことを確認し退院となる。本パスのように一つのパスでいくつかの疾患を扱う場合には、ステップ毎にバリアンスの有無とアウトカム達成を評価することが特に重要である。これまでにパスを使用した31例のバリアンス分析を行ったところ重大なバリアンスは認められなかった。今後も症例を積み重ねてパス内容の評価と改善を行っていく必要があるが、本パスのような症状名を冠したパスは小児の急性疾患に対して有用であると思われる。</p>

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