膵体尾部脂肪置換を伴う多発神経内分泌腫瘍に対して残膵非再建の膵頭十二指腸切除を施行した1例

書誌事項

タイトル別名
  • Multiple Neuroendocrine Tumors with Fat Replacement of the Pancreatic Body and Tail Treated with Pancreaticoduodenectomy without Pancreaticojejunostomy: A Case Report

抄録

<p>症例は64歳の女性で,耐糖能異常を指摘され,腹部超音波検査を施行し膵頭部腫瘤を認めた.精査で膵神経内分泌腫瘍の診断となり,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.術前のCTでは膵体尾部は周囲の脂肪と判別困難であり,術中同様に膵体尾部の膵実質は脂肪と類似しており,膵体尾部の脂肪置換と判断した.膵断端の迅速病理組織診断では外分泌線は消失し主膵管は同定不能であったが,ランゲルハンス島は残存しており残膵は切除せず非再建とした.術後は膵液瘻を認めず,血糖コントロールは比較的良好であった.病理組織学的検査では主病変と離れて神経内分泌腫瘍を認め多発神経内分泌腫瘍(WHO分類grade 1)の診断となった.膵体尾部脂肪置換症例に対する膵頭十二指腸切除は,残膵を非再建としてランゲルハンス島を温存することで膵全摘より良好な耐糖能を維持できると考えた.</p>

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参考文献 (21)*注記

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