心臓植込み型電気デバイス感染に人工弁感染性心内膜炎を合併した1例

書誌事項

タイトル別名
  • Surgical Treatment for Prosthetic Aortic Valve Endocarditis Complicated with Cardiac Implantable Electronic Devices Infection

抄録

<p>症例は54歳女性.26年前に他院で大動脈弁閉鎖不全症に対して機械弁による大動脈弁置換術を施行され,完全房室ブロックを合併してペースメーカ植込み(VVI)術を併施された.前医で7ヵ月前にペースメーカ本体の交換を施行された際にポケット感染を合併した.創部を切開し排膿しDebridementを行い,抗生剤投与で保存的加療を行っていたが,血液培養でメチシリン感受性黄色ブドウ球菌を認める敗血症性ショックになった.さらに,右前頭葉に限局したクモ膜下出血を合併した.脳神経症状の後遺症を認めることはなく経過した.精査で人工弁感染性心内膜炎,バルサルバ洞右房瘻,ペースメーカリードに疣贅の付着を認めた.脳出血合併10日後に,脳出血の軽快を確認して手術目的に当院に搬送となった.Debidementが施行された左鎖骨下創はペースメーカが露出していたが,排膿は認めていなかった.緊急手術(エキシマレーザーによるリード抜去,疣贅摘除,感染人工弁摘出,弁輪部膿瘍掻把,感染によるバルサルバ洞-右房短絡修復,再大動脈弁置換,心外膜リード縫着)施行,術後12日目に人工呼吸器離脱,術後23日目にICUを退室した.感染の再燃を認めることなく,術後68日目にリハビリ目的に前医へ転院となった.</p>

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 44 (1), 13-18, 2024-03-22

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (12)*注記

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