新規にテデュグルチドを導入した短腸症候群の2例

DOI
  • 清水 泰岳
    国立成育医療研究センター 消化器科
  • 内田 孟
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター 移植外科
  • 阪本 靖介
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター 移植外科
  • 竹内 一朗
    国立成育医療研究センター 消化器科
  • 福田 晃也
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター 移植外科
  • 新井 勝大
    国立成育医療研究センター 消化器科
  • 笠原 群生
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター 移植外科

抄録

<p>【背景】短腸症候群は栄養吸収障害、下痢等を生じ、長期の中心静脈栄養(TPN)を要する。テデュグルチド(TED)は、小腸の絨毛を伸長しTPN依存度を下げる効果が期待される。当科でTEDを導入した小児2例を報告する。</p><p>【症例1】34週2001gで出生した男児。出生時に腹壁破裂、多発小腸閉鎖を認め、小腸切除により小腸40cmの短腸症となった。離乳食を進める中で血便を認めたが、乳除去にて改善し、TPN併用下で体重増加が得られた。3歳8か月時にTED導入。1年後には血漿シトルリン(Cit)は12.3→34.4μmol/lと増加、TPN投与時間を20%減少し、保育園にも通園している。</p><p>【症例2】38週2450gで出生した男児。出生後早期に劇症肝不全を認め、日齢22に生体肝移植が行われたが、術後10日目に原因不明の小腸広範壊死を認めた。腸管大量切除を要し、小腸10cm、大腸10cmの短腸症となった。可及的に経腸栄養を行うもTPN依存度が高い状態が持続したが、10か月で回腸ストマを閉鎖し、1歳3か月時に退院した。在宅TPN併用で体重増加を図り、2歳11か月時にTEDを導入した。1年後にCitは15.4→20.1μmol/lと増加、 TPN投与時間は25%減少し、経口リハにより幼児用刻み食を摂取できている。</p><p>【結語】2例とも1年間 TEDを継続できており、TPN投与時間の減少にも有用であった。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s161_2-s161_2, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862623768459008
  • DOI
    10.11386/jst.58.supplement_s161_2
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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