小腸移植後の難治性拒絶反応に対しベドリズマブを使用した1例

DOI
  • 清水 誠一
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 阪本 靖介
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 内田 孟
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 柳 佑典
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 中尾 俊雅
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 兒玉 匡
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 小峰 竜二
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 竹内 一朗
    国立成育医療研究センター 消化器科
  • 新井 勝大
    国立成育医療研究センター 消化器科
  • 山田 全毅
    国立成育医療研究センター 高度感染症診断部
  • 福田 晃也
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター
  • 笠原 群生
    国立成育医療研究センター 臓器移植センター

抄録

<p>【緒言】小腸は免疫原性が強いため、小腸移植後の拒絶反応に対する治療に難渋する症例を経験する。今回、肝移植後の単独小腸移植施行後に認めた難治性拒絶に対して、サイモグロブリン使用後にベドリズマブを使用した症例を経験したので報告する。【症例】新生児期発症の劇症壊死性腸炎に対して大量小腸切除後の短腸症候群の状態であった男児。2歳11ヶ月時に父をドナーとした生体肝移植を施行し、脳死小腸移植待機中であったが、術後7か月後に移植肝グラフト不全となり母をドナーとした再肝移植を施行した。再肝移植施行した2か月後に、小児脳死ドナーからの単独小腸移植を施行した。術後3週目に高度の拒絶反応を認め、サイモグロブリンを用いて加療し、術後4週目にベドリズマブの使用を開始した。投与は、初回投与、2週間後、6週間後、14週間後の計4回投与し、大きな有害事象は認めなかった。術後6週目の内視鏡検査では、絨毛はほぼ正常化し、ステロイドとタクロリムスによる維持療法を継続した。EB virus感染がchronic high loadの状態であり、EBV感染細胞はB細胞であったため、術後3か月目にリツキシマブを使用した。術後5カ月からエベロリムス併用を開始し、術後6か月経過しているが移植腸管の状態は安定している。【結語】ベドリズマブを使用することによって、小腸移植後に免疫抑制剤を安全に減量させられる可能性がある。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s204_1-s204_1, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862623768513664
  • DOI
    10.11386/jst.58.supplement_s204_1
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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