インドシアニングリーン(ICG)蛍光イメージングを用いた腎移植術中尿管血流の評価

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抄録

<p>【背景】腎移植後尿管狭窄は2-10%程度と言われており、多くは尿管の虚血が原因とされている。ただ通常光での観察では客観的な血流評価が難しく追加切除の判断に悩むことが多い。今回われわれはICGを用いて移植腎の尿管血流を評価したので報告する。【対象と方法】対象は2021年4月から2023年2月までに腎移植術中にICGで尿管血流を評価した症例。レシピエントの血管吻合終了後、尿管吻合の準備が整った時点で経静脈的にICGを5mg投与し、LightVISION(島津製作所)で血流を評価した。【結果】症例数は22例(生体20例、献腎2例)。年齢の中央値は48.0歳(16-72)、男性9例、女性13例。通常光で血流低下を認めたのは1例(5%)なのに対し、ICGでは10例(45%)で尿管末梢の血流低下を認め、中央値1.5cm(0.3-6.0)の追加切除を行った。ICGで尿管抹消6cmに血流低下を認めたものの、膀胱までの距離を考え2cmの切除に留めた1例で術後尿管狭窄を発症したが、それ以外は術後経過良好である。【結語】術中ICGを用いることで通常光では確認できない尿管末梢の血流低下を確認できた。腎移植手術おいてICGによる尿管の血流評価は有用と思われた。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s244_2-s244_2, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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