日本人腎移植患者でのレテルモビル(LET)のCMV予防投与における有効性及び安全性の検討:単群非盲検第3相試験

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抄録

<p>【目的】LETは同種造血幹細胞移植患者でのCMV感染/感染症予防薬として国内外で承認されている。腎移植患者でLETの予防効果を評価した海外臨床試験ではバルガンシクロビルに対する非劣性の有効性と良好な安全性が示されている。今回、日本人腎移植患者でのLETの有効性及び安全性について評価した。</p><p>【方法】D+/R-又はR+の日本人成人腎移植患者に対して、移植後7日以内~28週(約200日)までLET 480mg/日の予防投与を行い、その後52週まで追跡した。主要目的は安全性及び忍容性の評価であり、副次目的としてCMV感染及び感染症の発現割合を評価した。</p><p>【結果】22例の被験者(D+/R-が12例)がLETの経口投与を受けた。LET投与期間中、治療介入が必要なCMV感染又は感染症は見られなかった。投与終了後、52週までの期間に治療介入が必要なCMV感染又は感染症がD+/R-の4例(CMV感染症は2例でいずれも症候群)にみられた。頻度の高い有害事象は口内炎(4例)、下痢、尿路感染、高脂血症、好中球数減少(いずれも3例)であった。LETとの併用時にTAC・EVRの用量調節が両薬剤の目標血中濃度の維持のために適宜行われた。</p><p>【考察】CMV感染症の頻度及び発症時期は海外試験と同様であり、日本人特有の安全性の懸念は認められなかった。以上より、日本人腎移植患者でもLETの予防投与が支持された。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s272_2-s272_2, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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