生体肝移植患者の術前運動耐容能は術後の機能予後を予測できる
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説明
<p>【背景・目的】生体肝移植術(LDLT)において術前運動耐容能と術後自立歩行獲得日数との関連性は明らかではない.今回,術前運動耐容能が術後自立歩行にどの程度影響しているか検討し,機能予後の予測因子となりえるか明らかにする.【方法】対象は,当院で施行したLDLT105例.術前運動耐容能は,6分間歩行距離(6MD)を指標とした.(1)術後自立歩行獲得日数により早期群と遅延群に分類し,以下の臨床因子(年齢,性別,BMI,MELDscore,GNRI,腹水量,手術時間,出血量,グラフト体重比,人工呼吸器装着日数,術後せん妄及び術後敗血症合併の有無,術後端坐位及び歩行開始到達日数,術後在院日数)を2群間で比較検討した.(2)遅延群に関するリスク因子をロジスティック回帰分析にて検討した.【結果】(1)術前運動耐容能を測定し得た解析可能症例は42例であった.術後自立歩行獲得日数は,中央値9(6-14)日であり,歩行早期群19例及び歩行遅延群23例に分類された.両群間の比較にて,遅延群において術前因子では,6MDが低値,MELDscoreが高値,術後因子では,せん妄,敗血症合併,人工呼吸器装着日数,術後在院日数が有意に延長を認めた.(2)歩行遅延群のリスク因子として,6MD(OR1.02,95%CI:0.97-0.99,p<0.05;カットオフ350m)が同定され,術前6MDは術後自立歩行獲得日数に有意に逆相関した.【結論】LDLTにおいて術前運動耐容能は術後の自立歩行獲得日数の指標となり,LDLT後の機能予後予測因子となることが示唆された.</p>
収録刊行物
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- 移植
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移植 58 (Supplement), s274_3-s274_3, 2023
一般社団法人 日本移植学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390862623768704256
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- ISSN
- 21880034
- 05787947
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可