生体肺移植後の慢性腎臓病に対して生体腎移植を施行した2例

DOI
  • 柳光 剛志
    岡山大学 呼吸器外科・臓器移植医療センター
  • 杉本 誠一郎
    岡山大学 呼吸器外科・臓器移植医療センター
  • 調枝 治樹
    岡山大学 呼吸器外科・臓器移植医療センター
  • 田中 真
    岡山大学 呼吸器外科・臓器移植医療センター
  • 橋本 好平
    岡山大学 呼吸器外科・臓器移植医療センター
  • 枝園 和彦
    岡山大学 呼吸器外科・臓器移植医療センター
  • 諏澤 憲
    岡山大学 呼吸器外科・臓器移植医療センター
  • 三好 健太郎
    岡山大学 呼吸器外科・臓器移植医療センター
  • 山本 寛斉
    岡山大学 呼吸器外科・臓器移植医療センター
  • 岡崎 幹生
    岡山大学 呼吸器外科・臓器移植医療センター
  • 石原 恵
    岡山大学 呼吸器外科・臓器移植医療センター
  • 豊岡 伸一
    岡山大学 呼吸器外科・臓器移植医療センター

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抄録

<p>【緒言】慢性腎臓病(CKD)は肺移植後の主な慢性期合併症の一つであり、肺移植後10年で約10%の患者に血液透析(HD)や腎移植といった腎代替療法が必要となる。脳死肺移植後の生体腎移植の有用性は報告されているが、生体肺移植後の生体腎移植については、親族から肺に続く腎の提供が必要になるため、施行された症例の報告は稀である。生体肺移植後の慢性期に進行したCKDに対し、生体腎移植を施行した2症例を報告する。【症例1】23歳時にLAMに対して両側生体肺移植(右ドナー:兄,左ドナー:母親)を施行された。肺機能は問題なかったが生体肺移植の12年後にCKDに対してHDを導入され、その2年後に同一ドナーである母親をドナーとした生体腎移植を施行した。肺移植後23年(腎移植後9年)を経過したが、本人・母親とも生存中である。【症例2】10歳時にIPAHに対する右片側生体肺移植(ドナー:母親)を受け、移植7年後にBOSと診断され、14年後に両側脳死再肺移植を施行された。同年にCKDに対するHDが導入され、再肺移植の4年後に血液型一致の父親をドナーとする生体腎移植が施行された。生体肺移植後22年(生体腎移植後4年)を経過したが生存中である。【まとめ】生体肺移植後のCKDに対する生体腎移植は、ドナーの選択は慎重に検討されるべきだが、レシピエントの長期生存に寄与する可能性がある。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s298_1-s298_1, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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