当科における教育を意識した生体腎移植ドナー手術の現状

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抄録

<p>当科では外科が腎移植を担当しているが、外科医の数はすべての診療科の中で最も減少しており、外科医のリクルートが緊急の課題である。また特殊な治療と捉えられがちな移植医療にも興味を持つように医学生を指導することも必要である。臨床実習ではただの見学で医学生の興味を惹くことは難しく、手術に参加させることで外科手術さらには移植医療に興味を持つようにしなければならない。当科では、若手医師に執刀をさせ、かつ安全に医学生を手術に参加させる方法はないかと模索して現在の手技に到達した。 当科の腎摘出術は後腹膜鏡下アプローチであり、術者は若手の医師に固定し、安全性の担保として日本内視鏡外科学会技術認定取得者が必ず参加して手術を行なっている。4portで行っているが、頭側のportから視野展開のための鉗子を挿入し、これを医学生に把持してもらい、手術の視野展開について解説を与えながら手術に参加してもらう。 そのようにして、当科では2018年10月より2023年3月までの4年6か月で53件の生体腎移植ドナー手術を行なった。2例をハンドアシスト法で行ったが、51例は後腹膜鏡下に腎摘出術を施行し1例で開腹移行を要した。男女比は17対36でBMI23.4(17.8-30.2)、手術時間は238分(171-385)、出血量は0ml(0-1150)、摘出したグラフト腎の重量は165g(114-323)、温阻血時間は4分(2-12)、術後在院日数は6日(3-16)であった。 当科での手術手技の現状を報告する。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s332_3-s332_3, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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