先天性盲ろう児のコミュニケーションにおける発達段階と 指導の関連 ―教員を対象とした面接調査から―

  • 吉本 萌
    京都府立盲学校(現所属) 筑波大学大学院人間総合科学学術院(研究時所属)
  • 佐島 毅
    筑波大学人間系

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between developmental stage and instruction in communication of congenitally deafblind children -From an interview survey of teachers

抄録

視覚と聴覚の両方に障害のある先天性盲ろう児はコミュニケーションに困難を有することが多く,発達段階に沿った意図的かつ特別な指導を必要としている。そこで本研究では,特別支援学校で盲ろうの児童生徒を担当した経験を有する教員6名を対象とし,3つの発達段階に応じた指導や指導上の工夫を明らかにすることを目的とした。調査の結果,盲ろう児のコミュニケーションの性質は他者とのつながりを形成することに始まり,徐々に一般性が高まっていくことが明らかになった。また,盲ろう児の指導を担当する教員はニーズに即して様々な指導を行っていることがわかった。一方で盲ろう児一人一人の多様性が大きいこと,また盲ろうが稀少障害であることから,一般化の困難な面については,具体的に事例的研究を行うなどし,その個別性についても明らかにする必要がある。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 advpub (0), 2024

    一般社団法人 日本特殊教育学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ