S状結腸癌手術時の直腸傍リンパ節転移を契機に診断された前立腺癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Prostate Cancer Diagnosed by the Discovery of Pararectal Lymph Node Metastases during Sigmoid Colon Cancer Surgery
  • Sジョウ ケッチョウ ガン シュジュツジ ノ チョクチョウ ボウ リンパセツ テンイ オ ケイキ ニ シンダン サレタ ゼンリツセン ガン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は65歳,男性.健診で便潜血検査陽性を指摘され,下部消化管内視鏡検査にてS状結腸に10mm大のIpポリープと直腸に12mm大のIsポリープを認め,内視鏡的粘膜切除術を施行した.病理組織学的検査にてS状結腸病変はadenocarcinoma,tub1>por2,pT1a,Ly1a,V0,直腸病変はadenocarcinoma,tub1>por2,pT1b (1,750μm),Ly1a,V1aであり,追加切除として腹腔鏡下低位前方切除術を施行した.術前および術中所見では明らかなリンパ節腫大を認めなかったが,切除標本の直腸傍リンパ節12個のうち,低分化腺癌の転移を4個認めた.免疫組織学検査にてCK7(-),CK20(-),CDX2(-),前立腺特異抗原(prostate specific antigen;PSA)(+)を示し,前立腺癌由来のリンパ節転移が疑われた.追加検査で血清PSA上昇,MRIにて前立腺両葉にT2強調画像で低信号腫瘤を認めた.針生検でadenocarcinomaを認め,前立腺癌の診断となった.前立腺癌の直腸傍リンパ節転移の報告は稀であり,今回われわれは直腸傍リンパ節転移から前立腺癌の診断に至った大腸癌の症例を経験したため,若干の文献的考察を加えて報告する.</p>

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