通所型サービスC(短期集中予防サービス)における運動指導の効果

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抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p>本研究の目的は、通所型サービスCの利用者において運動指導 によるElderly status assessment set(E-SAS)および身体機能の改善効果を明らかにすることである。</p><p>【方法】</p><p>デザインは、後方視的縦断研究である。対象は2020年1月から 2021年1月の間、デイサービス1施設にて通所型サービスCの 運動指導を受けた連続利用者20名である。利用期間は約3ヶ月、運動指導は1-2時間/回、週2回の実施である。取り込み基準は、介護予防事業利用者、65歳以上の者である。除外基準は、入院等の状態変化者である。調査項目は、年齢、性、要介護度、併存疾患、E-SAS、身体機能 (Sit to stand-5:SS-5、Chair stand-30:CS-30、片脚立位時間)である。E-SASは生活のひろ がり (Life space assessment:LSA)、転ばない自信、入浴動作、歩くチカラ (Timed up and go test:TU G)、休まず歩ける距離、人とのつながりの6項目で構成される。統計学的手法は、開始 時と最終時の2群に分類、t検定、Wilcoxon検定を用 い、LSA( ≥ 56点,<56点)とTU G( ≤ 12秒,>12秒)の各カットオフ値を基に4群に分類し、その比較にはχ2検定を用いた。統計学的有意差の 判定水準は5%未満である。</p><p>【結果】</p><p>最終解析者(n=20)の最終時は開始時と比べ、生活のひろがり、転ばない自信、歩くチカラ、休まず歩ける距離、SS-5、CS-30、片脚立位時間において、有意な改善を示した(p<0.05)。LSAと TU Gによる4群の前後比較は、LSA≥5 6点およびTU G≤1 2秒群 が、1名(5%)から13名(65%)へ有意な増加を示した(p<0.05)。</p><p>【考察】</p><p>先行研究では、高齢者を対象に運動指導によるE-SASや身体機能の改善効果が (辻,2010、篠田,2015)、介護予防事業利用者では、LSAやTUGの改善が知られている (高取,2014)。通所型サービスCの利用者においてデイサービスで実施する運動指導は、E-SASの生活のひろがり、転ばない自信、歩くチカラ、休 まず歩ける距離および、身体機能のSS-5、CS-30、片脚立位時間を改善する可能性がある。さらに、LSA≥56点およびTUG≤ 12秒の集団は、開始時5%から最終時65%への増加が示された。</p><p>【倫理的配慮】</p><p>本研究は、計画立案に際し、令和健康科学大学の倫理委員会の承認を得ている (承認番号:22-009)。なお、本研究の参加者全てに対して、事前に研究の趣旨、内容及び調査結果の取り扱いに関する説明がなされ、書面にて同意が得られている。</p>

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