介護予防事業に対してチーム担当制で活動に当たった事例報告 ―講師毎の特色ある内容を活かす方策―

DOI
  • 成瀬 淳
    ハーモニーナースステーション リハビリテーション科
  • 村上 三四郎
    東北メディカル学院 理学療法学科
  • 桜田 由紀子
    東北メディカル学院 理学療法学科
  • 自生 福子
    メディカルコート八戸西病院 リハビリテーション部
  • 森 友花
    介護老人保健施設はくじゅ リハビリテーション科
  • 谷地 雄太
    リハケアハウスメデル リハビリテーション科

抄録

<p>【目的】</p><p>近隣エリアの多施設に所属する理学療法士 (以下PT) がチームを組み,A自治体から依頼された一般介護予防事業の講師を分担して担当した。担当講師に一任するという形式で行った指導内容を取りまとめたので報告する。 </p><p>【経緯】</p><p>A自治体では,一般介護予防事業として1グループ約 15名定員の介護予防教室を3グループ,5月以降ほぼ毎週開催している。A自治体からは青森県内のPOS三士会に対し,各グループとも月1回程度,90分の講師派遣を依頼された。依頼内容には教室参加者の評価を含まず,PTへの要望は転倒予防と運動器介護予防を中心とした講話および指導であった。 令和4年度のPT派遣依頼回数は年間14回であり,グループごとに連続した4~5回であった。同年,5施設に所属する6名のPTで講師チームを立ち上げた。活動初年度である令和4年度は原則として1グループにつき講師2名を配置し,指導内容を事前に調整することなくオンラインツールを用いて指導内容を申し送る形式をとった。 </p><p>【指導内容の概要】</p><p> 参加者グループ3つの担当時期と回数は,火曜午前グループは5 ~9月で5回,火曜午後グループは10~2月で5回,水曜午後グループは11月~2月で4回であった。3つのグループに共通して指導していた項目は,椅子座位および立位での自重を用いた筋力増強トレーニングおよびストレッチであった。講師毎に特色があった項目としては,テニスボールや新聞紙の筒などの物品を用いた軽体操,循環器の機能向上を目的とした有酸素運動,骨粗鬆症予防を目的とした講話と運動,認知機能改善を目とした軽運動や二重課題運動,転倒予防を目的とした住環境に関する講話と転倒リスクチェック,ロコモティブシンドロームの講話とロコモチェック,フレイルの講話と指輪っかテストなどの身体チェック,咀嚼嚥下機能向上を目的とした口腔体操と発声練習,などバラエティーに富んだ内容となった。 </p><p>【まとめ】</p><p>今回の自治体からの依頼は年間を通して複数回の依頼であり、参加者も複数回参加される方も多かったため、講師に一任した形式をとることで、参加者は様々な特色ある指導内容を受けることができたと考える。また、各指導内容をチームで共有することで、講師として互いに知識を深めることができるため、今後、新たに講師を担う方も活動に取り組みやすいと考える。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>個人データを使用しておらず,倫理的配慮に該当する報告ではないと考えられる。また,自治体については匿名とした。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ