ヒップリフトエクササイズによる尿もれ改善効果についての検討

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抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p> ヒップリフトエクササイズは、大殿筋を中心に、ハムストリングス、体幹筋群などの筋力強化に実施されており、骨盤底筋群にも効果があると言われている。本研究では、ヒップリフトエクサイズとレッグレイズ2つの運動方法を比較し、尿もれ改善の効果に違いがあるかを明らかにすることを目的とした。 </p><p>【方法】</p><p> 対象は40~60歳代の週1回以上尿もれ経験のある女性とし、共同研究施設であるフィットネスクラブ内でポスターを掲示およびSNSで対象者の募集を行った。同意を得られた30名を対象とした。 尿失禁の状況は自己記入式アンケートとし、尿失禁症状についてQOL評価質問票 (ICIQ-SF)に回答してもらった。エクササイ ズの種類はⒶヒップリフト、Ⓑレッグレイズの2種類とし、対象を無作為に2グループに振り分け、どちらか一種類のエクササイズを6週間自宅で実施した。それぞれのエクササイズを毎日10回ずつ実施するように指示し、正確にエクサイサイズを実施できているかを確認するため、トレーナーによる確認を 1,3,5週間後にオンラインで行った。なお、本学研究倫理委員会の承認後に実施した。 </p><p>【結果】</p><p>対象者29名 (尿もれが基準以下だった1名を除外)の年齢、身長、体重、ICIQ-SF日本語版の平均値 (標準偏差)は、 47.9 (5.2)歳、身長161.2 (4.5)cm、体重57.0 (8.6)kg、9.6 (3.2) 点であった。トレーニングがヒップリフトだったグループは15名 (以下、Hip)、片足レッグレイズは14名 (以下、Leg)だった。両グループの年齢、身長、体重、尿もれの頻度に有意差はなかった。ICIQ-SFは6週間のエクササイズ前後、でHipは9.9から 5.7点、Legは9.2から5.5点となり、尿もれ症状が改善した。 しかし、2種類のエクササイズによる違いは認められなかった。 </p><p>【考察】</p><p> ヒップリフトエクササイズと片足レッグレイズによる違いは見られなかった。しかし、毎日10回のエクササイズであったがどちらも尿失禁を改善することが明らかになった。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>東京都立大学倫理委員会の承認を得た (承認番号:22011)</p>

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