「あなたの更年期実態調査」結果報告~更年期不調とヘルスリテラシーの関連について

DOI
  • 大塚 扶美
    山本記念病院 理学診療科 株式会社 SUSTAINABLEME
  • 徳弘 郁絵
    株式会社 SUSTAINABLEME N P O法人みらい予想図 重症児者デイサービスずうーっと
  • 後藤 友美
    株式会社 SUSTAINABLEME

抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p>少子高齢化・晩婚による人口減少の影響に直面する中、企業では健康経営への関心が高まり女性活躍推進法が制定されたことで、長期的かつ安定的な職場環境整備が重要視されている。40代以降女性の就業を妨げる原因の一つとして更年期不調が注目される。しかし、更年期障害と仕事やキャリアの関係、および運動習慣や環境要因についての研究結果はまだ乏しく(株)SUSTAINABLEMEは閉経後の女性を対象に「あなたの更年期実態調査」を実施し、後方視的に調査を実施したので以下に報告する </p><p>【方法】</p><p>閉経を迎えた女性を対象としたインターネット調査を実施。調査には Google フォームを使用し、無記名の選択肢回答または自由記載とした。調査期間は、2022年11月17日から 12月31日までとした </p><p>【結果】</p><p>アンケート回答数131件、有効回答数は121件 (有効回答数92.4%)平均年齢57.39歳更年期症状がなかった・気にならない程度が73名、症状があった43名、ほか4名であった。更年期不調が仕事やキャリアに影響を与えた23名、影響しない 91名、ほか7名その中で働き方を変えた36名、我慢した3名であった。運動習慣の設問に対し、仕事94名、買い物に出かける91名、家事86名、運動54名、その他54名 (複数回答)であった </p><p>【考察】</p><p>更年期不調は、特に症状が重い場合には働き方に影響を与えることが示唆された。働き方の変化やライフイベント、平均昇進年齢とも重なりやすく、ヘルスリテラシー向上とともに、問題に直面した従業員への支援プログラムの整備が求められている。「更年期における健康管理の指針」 (厚生労働省)の中には運動が重要要素として取り上げられている。今回、運動習慣と更年期不調の相関は得られなかったが、運動を単独項目として選択が少なく、仕事と家事などと合わせている方がおおよそ半数を占めることが分かった。多忙な女性にとって、就業中に運動習慣を取り入れられる施策を構築することで、離職リスクの低減、リラックス効果による更年期不調の緩和につながると考える </p><p>【結論】</p><p>女性従業員の離職リスクの低減には健康とキャリアの両面を向上させる対策が求められる。理学療法士として従業員の健康課題解決や運動支援といった可能性を感じたとともに、性差を相互に理解した上で性差を越えて健康課題を共有し、誰もが自己実現を目指せる社会に向け活動していきたい </p><p>【倫理的配慮】</p><p>アンケート調査開始時に説明・同意を実施、個人が特定されないよう配慮を施した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ