東北大学産業医学研修会にて「腰痛対策」に関する講師を経験して

DOI

抄録

<p>【はじめに】</p><p> 職場における腰痛は.特定の業種のみならず多くの業種や作業でみられることから,腰痛予防対策を講じる必要がある。 2018年より,東北大学産業医学研修会にて「職場における腰痛対策」 (以下,腰痛対策)と題して,医師向けに理学療法士の視点での腰痛対策を講じる機会を頂いた。そこで行っている「受講者アンケート」の結果をまとめたので報告する。 </p><p>【対象と方法】</p><p> 対象は,2018年度から2022年度に開催された東北大学産業医学研修会を受講された医師336名とした。方法は,研修会の講義前に受講者全員へ「受講者アンケート」を配布し,研修会後に回収可能であったアンケートに記載されている意見およびコメント欄の記載内容をまとめた。意見に関しては「大変良い」「良い」「ふつう」「あまり良くない」「良くない」の5段階となっており,チェックされている段階を集計した。また,コメント欄に関しては,「腰痛対策」の講義に関する記載のみ抽出した。 </p><p>【結果】</p><p> 2020年は新型コロナウィル感染症のため,研修会自体が中止 であった。2018年,2019年,2021年,2022年の各年の講義終了後に回収できたアンケートは,211名 (回収率:65.8%)であった (2018年:56名,2019年:62名,2021年:32名, 2022年:61名)。うち「大変良い」「良い」と回答されたのは, 195名 (88.2%)であった。「ふつう」は14名 (6.3%),「あまり良くない」「良くない」は2名 (0.9%)であった。 「大変良い」「良い」と回答された方のコメント欄へ実際に記 載してある内容としては,「ストレッチを実際にやったのがよかった」「ストレッチの効果が実感できた」「実践的で役に立つと思えました」など,ポジティブなコメントを頂けた。一方, 「あまり良くない」「良くない」と回答された方はコメント欄への記載がなかった。 </p><p>【考察】</p><p> 医師のみが参加する研修会へ講師として参加し,様々な意見をもらうことができた。アンケート結果より,ポジティブな回答が多い理由としては,座学が中心の研修会の中で,実際にストレッチを行ってもらうなど,身体を動かす講義であったためと考えられる。また,その場でストレッチの効果を感じられる方も多く見受けられたことから,今後,腰痛予防対策としてストレッチが普及することを願う。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>本発表で用いたアンケートは,無記名であり個人を同定することができないようになっている。また,アンケートの提出は任意であることから,提出されたことで同意を得たことした。加えて,アンケート提出の有無が,受講者への不利益とならないよう十分に配慮をした。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ