メンタルヘルス自己管理がメンタルヘルス風土や労働職場ストレスに及ぼす影響

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抄録

<p>【はじめに】</p><p>組織ストレスは、環境(ストレッサー)に個人(モデレータ)とストレインの相互関係であり、先行研究でも職場ストレスに対しメンタルヘルス風土やメンタルへルス自己管理はストレスを軽減させると報告がある。リハビリテーション(以下、リハ)専門職でもストレスに関する報告は多数あり、自身の健康を管理し予防する事が重要である。本研究は、リハ職のメンタルヘルス自己管理がメンタルヘルス風土や労働職場ストレスの影響を調査する事を目的とした。 </p><p>【方法】</p><p>対象者は、都内グループ法人医療機関のリハ専門職 151名である。方法は、2023年4月1日~22日の期間に Google formsを使用しアンケート調査を実施した。アンケート は、個人属性として年齢、性別、既婚、職種、職位、勤続年数、職務年数、最終学歴、転職やリハ職以外の仕事の経験を調査した。メンタルヘルス風土は金井らのメンタルヘルス風土尺度を一部修正し5段階尺度(1:そう思わない~5:そう思う)で、メンタルヘルス自己管理は坂井らのメンタルヘルス自己管理尺度を使用し4段階尺度(1.全くちがう~4.そのとおり)で、労働職場ストレスは世良らの労働職場ストレス尺度を使用し6段階 (0経験なし~5経験あり)で調査した。メンタルへスル自己管理の高い群と低い群に分けて、個人属性とメンタルヘルス風土と労働ストレスの関連を調査した。統計学的解析は、EZRを用い Spearman's検定とロジスティック回帰分析を行い、有意水準は P<.05とした。 </p><p>【結果】</p><p>メンタルヘルス自己管理は、メンタルヘルス風土 (0.34)と相関あり労働職場ストレスとは有意差はなかった。メンタルヘルス風土を労働ストレスとは相関(-0.25)であった。またメンタルヘルス自己管理は、年齢(0.18)と経験年数(0.20)、メンタルヘルス風土の下位尺度であるメンタルヘルス理解 (0.379)とメンタルヘルス風土(0.29)と相関があった。メンタルヘルス自己管理を目的変数とし、年齢、経験年数、メンタルヘルス理解、メンタルヘルス風土を説明変数とした回帰分析の結果は、メンタルヘルス風土(オッズ比1.12)、メンタルヘルス理解(オッズ比1.20)、経験年数(オッズ比1.09)が有意であった。 </p><p>【考察】</p><p>リハ専門職として自身でメンタルヘルスについての学 びと健康管理も必要であるが、メンタルヘルスに関心を示す組織風土づくりが重要と示唆された。職場内のメンタルヘルスの関心は、個人の健康管理を認識させることに影響すると考える。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>本研究は、花と森の東京病院の倫理審査委員会の承認を得たものである。(承認日:2023年3月8日)対象者には、研究の説明と同意書、倫理審査委員会の承認の説明を行い、アンケート調査の協力依頼をメールにて送付し、回答による同意を得た上で実施した。</p>

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