足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査(Foot Check 2023 )第1報

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タイトル別名
  • Large-scale epidemiological survey on the actual situation and latent morbidity of tinea pedis and tinea unguium (Foot Check 2023)

抄録

本邦における足に生じる疾患,特に足・爪白癬の潜在罹患率を把握する目的で日本臨床皮膚科医会が2007年に実施した「足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査(Foot Check 2007)」から16年が経過し,その間に新たな爪白癬治療外用薬や経口抗真菌薬が承認され,足白癬・爪白癬に関する啓発活動も行われてきた.しかしながら現在まで,足白癬・爪白癬の潜在罹患率に関する大規模な疫学調査は行われておらず,その実態を十分に把握できていなかった.そこで日本臨床皮膚科医会として,足白癬・爪白癬の潜在罹患率について最新の情報を得るべく足白癬・爪白癬に関する全国疫学調査(Foot Check 2023)を企画・実施した.全国の日本臨床皮膚科医会会員所属施設211施設の皮膚科外来に2023年4月〜2023年5月の間に受診した患者を対象に「足の健康調査(Foot Check2023)」に関するアンケートを依頼し,回答が得られた患者23,087例のうち「足・爪の水虫の診察」で受診した患者2,116例を除外し,足の健康調査(Foot Check)への参加同意が得られた患者14,588例について,実際に医師が患者の足および爪の疾患・症状の有無を確認し,足白癬・爪白癬が疑われた場合の白癬の確定診断を行った.その結果本邦における足白鮮13.7%(男性18.9%,女性9.6%),爪白癬7.9%(男性11.6%,女性5.8%),足白癬または爪白癬のどちらかに罹患している潜在患者は16.6%(男性22.3%,女性12.2%)と日本人の6人に1人は足に白癬を有していることが判明した.皮膚科医の役割として足・爪白癬に対する積極的な治療介入および潜在患者に対する予防を含めた啓発活動への取り組みが引き続き重要と考えた.

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