喫煙画像刺激時の喫煙者の脳波に有意に変化する周波数成分と喫煙経験との関係性に関する研究

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  • A study on the relationship between the frequency components that significantly change in smokers’ EEGs during smoking image stimulation and smoking experience

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抄録

禁煙治療において薬物療法による禁煙導入の成績は向上しているものの再喫煙率が高いことが課題となっている.そのような現状から,脳や心理へのニコチン作用に関する脳科学の知見を禁煙のための心理教育や支援に活かすことが試みられている.そこで本研究では,その知見を深めるため,喫煙者と非喫煙者に対して喫煙画像の刺激を与えたときに,喫煙者の脳波に有意に変化する周波数成分を明らかにし,また有意な周波数成分が顕著に変化している喫煙者群と喫煙経験との関係性を明らかにする.喫煙者9名と非喫煙者10名の合計19名に対して,喫煙静止画及び喫煙動画を目視してもらった際の脳波データを記録し,有意差検定及びクラスター解析を行なった.その結果,左前頭部の電極位置 AF7において,喫煙静止画ではα1,α2,α3,β1,β2,θ1,θ2波で有意差(p<0.05)がみられ,喫煙動画ではα1,α2,α3,β1,β3波で有意差(p<0.05)がみられた.またこれらの周波数成分を用いたクラスター解析を行なった結果,喫煙静止画では,喫煙歴が長くかつニコチン含有量が高いタバコを喫煙している喫煙者は同じクラスターに分類された.

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