ドイツ語学術論文の文体的特徴 : 品詞と語彙の使用に注目して

DOI HANDLE オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Stylistic Characteristics of German Academic Articles: Focusing on Usage of Parts of Speech and Words

この論文をさがす

抄録

本研究では,1980年代および2000年代以降に公表された5分野(哲学,言語学,法学,経済学,医学)の論文データを元に,(1)品詞,(2)語彙,(3)学術文章で多用されると考えられる動詞の使用傾向から,年代間および分野間の差異に着目しつつ,ドイツ語の学術論文の文体的特徴について検証した。その結果,近年,学術文章の作成が以前にも増して注目されるようになったものの,過去40年程度では目立った年代差は見られず,実証性の度合いによる分野間の差が最も大きいことが確認された。具体的には,品詞の調査により,実証的な学問分野ほど名詞を中心とする文体が特徴的であることが確認された。ただし,複雑な文構造を伴うものではないことも判明した。また,語彙の調査により,医学論文や経済学論文では,分析結果について言及する動詞や,数値の高低や頻度に関する形容詞などが多用され,哲学論文や言語学論文では,発話動詞,推量表現,一人称代名詞などが好んで使用されることが確認された。また,学術文章で多用されると考えられる動詞の調査では,これらの動詞は人文学分野および社会科学分野を想定して列挙された可能性が高く,医学論文では動詞の使用がより固定されていることなどが確認された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ