セルフヘルプ・グループにおける代用音声訓練の意義 ——阪喉会発声教室における指導員と受講者との関係から——

  • 杉本 隆
    岡山大学大学院社会文化科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • The Significance of Substitute Speech Training in Self-Help Groups: The Relationship between Instructors and Participants in the Hankoukai Speech Class
  • セルフヘルプ・グループにおける代用音声訓練の意義 : 阪喉会発声教室における指導員と受講者との関係から
  • セルフヘルプ ・ グループ ニ オケル ダイヨウ オンセイ クンレン ノ イギ : ハン コウカイ ハッセイ キョウシツ ニ オケル シドウイン ト ジュコウシャ ト ノ カンケイ カラ

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抄録

<p>セルフヘルプ・グループ(以下、SHG)である喉頭がんの患者会では、手段的サポートとして、失声した患者に代用音声を訓練している。そこでは、指導する指導員、指導を受ける受講者という、一方向の援助の流れでサポートが始まる。その流れは、リハビリテーション医療における医療者と患者との関係と大差がない。では、医療の場ではなく、SHGにおいて代用音声訓練を行う意義は何なのであろうか。代用音声訓練の場において、指導員と受講者との関係について観察を行った。その結果、代用音声による会話が可能になるとともに、会話する喜びをわかちあい共有する、対称的な関係が実現することが明らかとなった。この対称的な関係のもとに、SHGが新たな人づきあいの場を形成している。このような人間関係の形成が可能になる点がSHGにおいて代用音声訓練を行う意義を示している。</p>

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