九州大学北海道演習林における風穴の気温と風穴地の植生

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  • 山内 康平
    九州大学農学部附属演習林
  • 榎木 勉
    九州大学大学院農学研究院環境農学部門森林環境科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Air temperature and the understory vegetation on an algific talus slope in Ashoro Research Forest, Kyushu University
  • キュウシュウ ダイガク ホッカイドウ エンシュウリン ニ オケル カザアナ ノ キオン ト カザアナチ ノ ショクセイ

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抄録

九州大学北海道演習林清川地区の風穴について調査を行った。コケモモが局所的に群生し,ミヤコザサが生育していない範囲を風穴の影響が及ぶ風穴地と定義し,サーモカメラが特に低温と示した岩の隙間の気温(以下,風穴気温)と約10m離れた風穴地外の斜面上の地上1.3mに設置した通風シェルター内での気温(以下,風穴地外の気温)を2022 年11月から2023 年10月まで計測した。測定期間中の風穴気温は最高8.8℃,最低-16.7℃,平均は-0.7℃であった。風穴地外の気温は最高31.6℃,最低-19.2℃,平均は7.0℃であった。風穴地外の気温が30℃を超える8月でも風穴気温は5℃程度の低い値を示した。風穴気温の日較差は最大8.3℃で,観測期間の85%以上で4℃以内だった。2023年1月,風穴地の斜面上方で対応する温風穴を示す融雪を確認した。2023年10月,風穴地の内外で植生調査を行い,風穴地内でコケモモやオオタカネバラなどの北海道における風穴を代表する植生を確認した。風穴地外ではミヤコザサや周辺に生育するハリギリ等の木本の実生が生育していた。

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