看護学文献における患者の自己開示の概念分析

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タイトル別名
  • A Conceptual Analysis of Patient Self-Disclosure in Nursing Literature

抄録

目的:看護学文献における患者の自己開示の概念分析を行い,属性,先行要件,帰結,自己開示の定義を明らかにすることである。方法:医学中央雑誌などを使って,「自己開示」「患者」「看護」をキーワードとして検索し,最終的に22件が抽出されRodgersの方法で分析した。結果:属性では【病いに対する思い】,【病いを抱えながら生活する思い】などの4つ,先行要件では【開示するための支援があること】,【開示する動機がある】など5つ,帰結では【支援の獲得】,【自己理解と行動変容につながる】などの5つが抽出された。考察:本研究において特記することとして,自己開示の帰結として,周囲からのサポートが得られることが明らかになったことが挙げられる。心理学における自己開示の研究では,開示者本人への影響だけが明らかになっていた。しかし,本研究で周囲との関係性が帰結として得られたことは,心理学とは異なる,看護学の特徴が明らかになったと言えよう。看護学文献における患者の自己開示とは,「病いを有する人が,自己開示をする動機やスキルなどの自身の要因や他者からの支援があることで,病いを抱えながら生活をする思いを伝えたり,周囲への支援要請を行ったりすることが可能になり,その結果,自己理解と行動変容という個人的な要因や,支援が得られたり看護の質の向上につながったりすること」と定義した。

収録刊行物

  • 群馬保健学研究

    群馬保健学研究 44 (0), 11-20, 2024

    国立大学法人 群馬大学大学院保健学研究科

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862699742429440
  • DOI
    10.34461/ghk.44.0_11
  • ISSN
    13434179
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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