85歳以上の超高齢骨盤臓器脱の治療成績についての検討

DOI
  • 遠藤 拓
    昭和大学横浜市北部病院 女性骨盤底センター 聖マリアンナ医科大学 産婦人科学
  • 野村 由紀子
    昭和大学横浜市北部病院 女性骨盤底センター 昭和大学横浜市北部病院 産婦人科
  • 黒川 一平
    昭和大学横浜市北部病院 泌尿器科
  • 中川 智絵
    昭和大学横浜市北部病院 女性骨盤底センター 昭和大学横浜市北部病院 産婦人科
  • 岡田 義之
    昭和大学横浜市北部病院 女性骨盤底センター 昭和大学横浜市北部病院 産婦人科
  • 重田 美和
    昭和大学横浜市北部病院 女性骨盤底センター
  • 鈴木 直
    聖マリアンナ医科大学 産婦人科学
  • 嘉村 康邦
    昭和大学横浜市北部病院 女性骨盤底センター 昭和大学横浜市北部病院 泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Treatment for Pelvic Organ Prolapse in Patients Aged 85 Years and Older

抄録

<p>高齢化が急速に進行する本邦において、高齢者の骨盤臓器脱(以下POP)患者も増加している。当院における 85 歳以上の超高齢POP 患者の背景と治療成績について後方視的に調査した。2019 年4 月から2022 年3 月の3 年間に当院を受診したPOP 患者は927 例で、85 歳以上の超高齢者は78 例(8.4%)であった。POP-Q stage3 は34 例(44%)、stage4 は29 例(37%)であった。22 例(28%)では腟内装具による保存的治療の継続が困難であったために手術療法が施行されていた(腟閉鎖術17 例、経腟メッシュ手術5 例)。手術症例の併存症は、高血圧、糖尿病、心疾患、腎機能障害、深部静脈血栓症、精神疾患であった。術後入院期間の中央値は4 日(1 〜8 日)で、重篤な術中術後合併症は認めなかった。術後再発例はなく、P-QOL スコア値は術前後で有意差を認めた。当院における超高齢POP 患者はstage3 以上の重症例が多く、保存的管理が困難な場合には手術療法が選択され良好な治療成績であった。全身状態および併存症に対する適切な評価と周術期管理を行える体制のもとであれば超高齢POP 患者に対しても手術療法は検討可能であり、QOL 改善に寄与する可能性があると考える。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862699742444416
  • DOI
    10.32310/jfpfm.20.1_1
  • ISSN
    24348996
    21875669
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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