日本語の意味的関連性を利用した小学生の英語語彙学習:教科書分析と教材開発に基づく実践研究

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タイトル別名
  • Use of L1 Semantic Relatedness in L2 Vocabulary Learning for Japanese Elementary School Students: A Practical Study Based on Textbook Analysis and Teaching Material Development

抄録

<p>外国語教育の現場では,コミュニケーション能力の基礎を養うため,児童に負担なくより効果的に語彙を指導する方法が求められている。将来的に豊かなコミュニケーションを可能にするためには,様々な品詞の語彙に触れていくことが必要である。初期学習者にとっては名詞から覚えていくことは重要である。しかし,使える英語を習得していくためには,早い段階から様々な品詞に触れていくことも必要である。本研究では,初学者にとって有効とされている母語の語彙知識を生かした語彙の学習に焦点を当てる。特に,母語の語彙知識の一つである単語の意味的関連性を利用した語彙学習教材の作成と実践を行った。母語における単語同士の意味的関連性として,ある単語に対して上位・下位などの範疇を表すパラディグマティックな意味的関連性(例.雲—雨)と,ある単語に対して統語的な結びつきを表すシンタグマティックな意味的関連性(例.雲—白い)を取り入れた絵本教材を作成し,その教材を利用した短時間学習を行った。学習後に単語の意味を答える確認テストを行ったところ,双方の意味的関連性を利用して単語の意味を学習することができていた。この結果から,今回の実践のように短時間かつ継続的に学習を続けていくことで,児童が自ら意味的関連性を利用して思考しながら学習を進めることができるということが明らかになった。また,指導者はどのような意味的関連性を用いることがより効果的なのか,教材や指導法を選択していくことが可能になるということも,今回の研究を通して示された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862776827411840
  • DOI
    10.57539/telesjournal.44.0_114
  • ISSN
    27585514
    13462504
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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