〈コトガラ評価〉を表す副詞「あいにく」の意味と用法
書誌事項
- タイトル別名
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- 〈 コトガラ ヒョウカ 〉 オ アラワス フクシ 「 アイニク 」 ノ イミ ト ヨウホウ
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説明
本研究では,「あいにく」には「物事の進捗を妨げる不都合な状態A」と「話し手あるいは聞き手が望む(意図・期待)事態B」が関係すると考える。ここでは実例調査結果に基づき,「あいにく」の中心的な構文パターンを「あいにくA状態なので事態Bが実現しない(望む事態の不実現)」であるとした。具体的には,副詞「あいにく」で表される状態と関係する事態の述語の「意志」と「無意志」という性質,および「望む事態」の実現有無・可否に着目して,6つの構文パターンを取り出し,その意味・用法を記述した。その結果,まず「あいにく」の〈副詞用法〉〈連体用法〉〈述語用法〉間における使用場面や文構造の相違が明らかになった。次に,「あいにく」の評価対象が〈出来事〉6割程度,〈命題〉3割強,〈人の行為〉1割弱という分布をなしていることが明らかになった。最後に,〈出来事〉評価から〈人の性質〉評価にわたって,「あいにく」の意味が多義的に発展している様相を考察した。
収録刊行物
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- Nagoya Linguistics
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Nagoya Linguistics 18 1-20, 2024-03-31
名古屋言語研究会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390862776827578624
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- HANDLE
- 2237/0002009978
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- NDL書誌ID
- 033433593
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- ISSN
- 18818072
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDLサーチ
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可