『インドの通貨と金融』にみる最初期ケインズ幣制論の基本性格(1) : テクストの総体的分析とそのインプリケーション : 研究目的と第1章の分析

書誌事項

タイトル別名
  • インド ノ ツウカ ト キンユウ ニ ミル サイショキ ケインズ ヘイセイロン ノ キホン セイカク 1 テクスト ノ ソウタイテキ ブンセキ ト ソノ インプリケーション ケンキュウ モクテキ ト ダイ1ショウ ノ ブンセキ

この論文をさがす

抄録

ケインズの最初の著作『インドの通貨と金融』(1913年)は, 第一次世界大戦開戦期の緊急通貨対応(1914年), 『貨幣改革論』(1922~1923年), 『貨幣論』(1930年), 「国際清算同盟案」(1941~1943年)などへと連なってゆく彼の幣制論の出発点に位置する重要な著作である. しかし, これまでの研究史で同著への関心は十分とは到底言い難く, 誤解されることも少なくない. そこで, 本稿では, まずは『インドの通貨と金融』のテクスト分析を可能な限り厳密に行い, この時期のケインズの貨幣学説, なかでも幣制論の基本性格を彼の一連の幣制論の原型として包括的に明らかにする. 本稿(1)では, まず議論の前提としてこの研究を進める3つの方法的な観点を説明し, これまでの研究史を簡単に整理する(I). 次に『インドの通貨と金融』の概略を示し(II), 同著第1章「ルピーの現状」のテクスト分析を行う(III). 小括として, 第1章の分析から得られた結果とインプリケーションを示す(IV).

収録刊行物

  • 季刊経済研究

    季刊経済研究 42 (4), 63-94, 2024-03-29

    大阪公立大学経済研究会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ