新聞広告にみる小笠原諸島のクルーズ船観光と観光地イメージ

書誌事項

タイトル別名
  • Cruise Ship Tourism and Images of Ogasawara Islands, from the Cases of Advertisement in Newspaper

抄録

本稿の目的は、1970年代、1980年代における小笠原諸島の新聞広告の事例よりクルーズ船観光の分析及び観光地としての小笠原イメージを明らかにすることである。小笠原諸島は東京本土より1,000km離れており、飛行機によるアクセスはなく定期船おがさわら丸もしくはクルーズ船というアクセス方法に限られている。本稿では、対象とした1970年代から1980年代にかけて掲載された観光に関連する小笠原諸島の新聞広告の事例127点に基づき、小笠原諸島へのクルーズ船観光商品及び観光地としての小笠原イメージを論じる。本稿では、クルーズ船観光商品が夏季及び年末年始を中心に4泊5日もしくは5泊6日で催行されることを提示した。そして、クルーズ船観光商品においては、そのアクセス方法であるクルーズ船それ自体が広告のコピーにおいて強調されることが考えられる。クルーズ船観光商品の特徴を提示した後に、広告に掲載されている情報をテクストとして観光地としての小笠原諸島のイメージの分析をおこなった。本稿の事例より、「楽園の島」、「亜熱帯の島」、「夏の島」といった観光地としての小笠原諸島のイメージがあげられ、これらのイメージには国内にありながらの異国性が紐づけられていると考えられる。結論として、国内にありながらの異国性というイメージは船旅(クルーズ船及びおがさわら丸)といったアクセス方法を介することによって、より強固に異国性が演出される点が考えられ、新聞広告においても異国性が紐づいた小笠原イメージが表象されていると論じる。

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