ブナ林土壌の保水機能の定量的評価

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タイトル別名
  • Quantitative evaluation of water storage function of beech forest soils
  • Comparative study in three beech forest stands: Secondary report
  • 安比高原・胆沢川上流部・森吉山麓高原における比較研究:第2報

抄録

<p>東北地域に広く分布するブナ林土壌の保水機能について、演者らは前回、岩手県北部の安比高原、同南部の胆沢川上流部、秋田県北部の森吉山麓高原での調査結果を報告した。その際に、土壌の保水機能の2つの能力(通常時に使える土壌中の水の「貯金(保水力)」と、もしも(大雨)の時に水を容れることのできる「保険(貯水能)」)を量的に評価したが、今回はそれぞれを「渇水緩和機能」、「洪水調節機能」として、土層厚および土壌物理特性の解析結果から再評価を行った。さらに、演者らが過去に調査を行った、ブナ林以外のいくつかの森林土壌においても両機能を定量化し、東北地域のブナ林土壌との比較を試みた。その結果、ブナ林かそうでないかを問わず、土層の厚さは気候条件や地質、火山灰の影響の有無に左右されることがわかった。また土壌物理特性については、ブナ林土壌の特徴として、一般的な森林土壌と異なりA層の飽和透水係数がB層よりも低い土壌が多いこと、特にB層で現場含水率および細孔隙率が高いことが明らかになった。このことは、土層厚が同程度の場合、ブナ林土壌は渇水緩和機能が高いことを示唆している。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862809659751168
  • DOI
    10.14866/ajg.2024s.0_42
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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