2 種の異なる台座灸燃焼時の深部温度変化シミュレーションの検討

  • 松井 敬宏
    まつい鍼灸治療院 病鍼連携連絡協議会
  • 糸井 信人
    病鍼連携連絡協議会 糸井鍼灸治療院 Cubic Lab.
  • 佐藤 義晃
    病鍼連携連絡協議会 てくてく治療院
  • 谷口 美保子
    病鍼連携連絡協議会 ICM 国際メディカル専門学校
  • 石井 祐三
    病鍼連携連絡協議会 東北大学 大学院 医学系研究科 東北大学 地域総合診療医育成寄附講座
  • 中西 智子
    病鍼連携連絡協議会 鍼灸楽
  • 中嶋 拓美
    病鍼連携連絡協議会 鍼灸治療院サロン Q
  • 松本 美由季
    病鍼連携連絡協議会 昭和大学医学部 リハビリテーション医学講座
  • 長谷川 尚哉
    病鍼連携連絡協議会 大磯治療院 ほんあつ治療院

書誌事項

タイトル別名
  • 2シュ ノ コトナル ダイザ キュウ ネンショウジ ノ シンブ オンド ヘンカ シミュレーション ノ ケントウ

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抄録

【目的】本研究では、台座灸の熱刺激が皮下へ伝わる状態をシミュレーションで推定する足掛かり として、簡易生体内熱移動方程式を用いたシミュレーションの有効性を検討した。<br> 【方法】熱源となる刺激装置として、2 種類の台座灸(試料 A・試料 B)を選定した。選定された試料は、 製品のばらつきを調べるために工業的基礎調査法、開放空間熱分布測定法および熱伝導調査法を、 生体内での熱伝導性を調べるために、熱解析シミュレート法を実施した。<br> 熱解析シミュレート法ではロースハムを 15 枚重ね合わせたものを簡易生体モデルとし、深度 21.6 mmまで 1.8mm間隔で熱電対温度計にて測定した。得られたデータより、生体内熱移動方程式をもと に近似した解析モデルの式を Microsoft Excel にてシミュレートした。シミュレートした推定値と 実測された数値はピアソンの相関係数・寄与率を求めてその関係性を調査した。<br> 【結果】試料 A、B ともに構造の規格にて変動係数は小さかった(変動係数≦ 0.04)。また、試料 の特性として、サーモグラフィーでは同心円状にて熱が拡散し、熱電対温度計測では艾上部、裏 面艾燃焼温度が他に比べ高い傾向にあった。簡易生体モデルでの実測では、試料 A は最表面最高 温度が 26.71°C、試料 B は 27.41°Cとなった。このとき、2 つの試料で、最表面では温度上昇が急 激でありピークの幅が狭く、深度が増すことで温度上昇が緩やかになりピークの幅が広くなった。 本研究で用いたシミュレーションでは、深度 12.6mmまで実測された数値と推定値との間に統計学 的に高い相関性があることを示し、種類の異なる熱源でも一致した傾向を示した。<br> 【考察・結語】本法が簡便かつ安価にて、簡易生体での熱の伝導性を簡便的に評価しうることを明 らかにした。

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