透析患者における栄養障害 (Protein-energy wasting)

  • 加藤 明彦
    浜松医科大学医学部附属病院血液浄化療法部

書誌事項

タイトル別名
  • Protein-energy Wasting in Dialysis Patients
  • トウセキ カンジャ ニ オケル エイヨウ ショウガイ(Protein-energy wasting)

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抄録

透析患者は食欲不振による食事摂取量の低下(特に透析日),透析排液中からの栄養素の喪失 などにより,高率に栄養障害(protein-energy wasting:PEW)を認める。透析患者の栄養スク リーニング法として,主観的包括的栄養評価法が最も一般的であるが,最近は日本人血液透析患 者向けのnutritional risk index for Japanese hemodialysis patients(NRI-JH)が発表されてい る。一方で,初の国際的な低栄養の診断基準であるthe Global Leadership Initiative on Malnutrition( GLIM)基準については,現時点で透析患者における有用性は明らかでない。 栄養スクリーニング法で栄養障害を認めた場合,まずは透析日と非透析日の食事摂取量を評価 する。透析日の食事摂取量が少ない時は,透析施設からの食事の提供が有用である。また,必要 に応じて経腸栄養剤による経口からの栄養補充を行うが,特にホエイプロテインを含む製剤が有 用である。透析中静脈輸液(intradialytic parenteral nutrition:IDPN)については,IDPN 単独 では不足した栄養素を十分補えないため,必ず食事や経腸栄養剤による経口摂取と併用する。

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