フィリピン・パンガシナン州におけるマンゴーの請負生産にもとづく供給態勢

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書誌事項

タイトル別名
  • Shipping System in Leading Mango Production Area of Pangasinan, Philippines

抄録

<p>本研究では,フィリピンのマンゴーの首位生産地で形成されてきた大規模な供給態勢について解明した。対象地域のパンガシナン州でマンゴー生産を担ってきたのはマンゴー樹所有者ではなく,果実生産に出資して分け前を得る請負生産者であった。また州にはマンゴーの卸売業を営む2人の大事業家があり,彼らは請負生産者に融資と果実の買取を行うことで供給のネットワークを形成し,生産地の供給態勢の軸をなしてきた。2008年以降,州では台風被害と虫害で生産の低迷が顕著となった。災害の過程で請負生産の経営は悪化し,廃業する者が相次いだ。マンゴー樹の新規定植も減少し,穀物生産への転作が進んだ。一方,新たに形成されつつある供給態勢の特徴として,一部の大規模な請負生産者の経営拡大,輸出・加工業者への供給における大規模供給者への依存が確認された。協同組合の創設も決定されており,今後,より組織的な供給態勢が実現することも予想された。</p>

収録刊行物

  • 農村研究

    農村研究 2021 (132), 31-44, 2021-03-20

    食料・農業・農村経済学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862853909608704
  • DOI
    10.57277/nosonkenkyu.2021.132_31
  • ISSN
    24369047
    03888533
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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