書誌事項
- タイトル別名
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- Relationship Between Bullying Victimization and Normative Beliefs About Aggression:
- Types of Severe Bullying Victimization
- ―深刻ないじめ被害類型に着目して―
抄録
<p> いじめが原因で起こる事件の中には,いじめ被害者が起こした,加害者に対するリベンジも少なくない。これまでの先行研究から,より頻繁にいじめを受けた被害者は,リベンジ念慮と身体攻撃行動が有意に高いことが示されている。しかし,学校におけるいじめがどのように被害者のリベンジ(報復攻撃行動)につながるのか,またその攻撃行動の対象は加害者に限定されるものなのか,そのメカニズムを検討した研究は少ない。本研究では,「週に何度も」発生しているいじめ被害を深刻ないじめとして提案し,類型化の視点から深刻ないじめ被害の実態を解明した。そのうえ,深刻ないじめ被害類型と,報復攻撃信念および一般攻撃信念との関連を検討した。その際,学級環境の影響についても検討するため,学級の荒れとの交互作用を考慮した。小中学生3,980名を対象に質問紙調査を行った結果,関係性や身体・言語的ないじめ被害は,報復攻撃信念と関連があること,暴力や暴言など直接的ないじめを受けた児童生徒は,荒れている学級に所属している場合に,一般攻撃信念を高く示すことが明らかとなった。以上の結果をふまえて,深刻ないじめ被害者のリベンジ抑制の観点から実践的示唆について議論した。</p>
収録刊行物
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- 教育心理学研究
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教育心理学研究 72 (1), 40-56, 2024-03-30
一般社団法人 日本教育心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390862864957975808
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- ISSN
- 21863075
- 00215015
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可