Friedewaldの式を利用した異常リポタンパクの検出および脂質4項目のデータ保証

DOI
  • 猪田 猛久
    社会福祉法人恩賜財団済生会中和病院医療技術部中央検査室
  • 髙橋 秀一
    社会福祉法人恩賜財団済生会中和病院医療技術部中央検査室

書誌事項

タイトル別名
  • Detection of abnormal lipoproteins using Friedewald formula and data assurance of four lipid profiles

抄録

<p>総コレステロール(TC)値,高比重リポタンパクコレステロール(HDL-C)値および中性脂肪(TG)値から低比重リポタンパクコレステロール(LDL-C)値の推定値が得られることは知られている。Friedewaldの式(F式)は,LDL-C値=TC値-HDL-C値-1/5 TG値である。このF式を利用して,TC値からHDL-C値とLDL-C値を差し引き,更にTG値に0.15を乗じた値を差し引くと(TC値差),多くの検体は「0 mg/dL」を中心に収束するが,中には「0 mg/dL」から大きく乖離する検体に遭遇する。今回その乖離した事例について,2019年12月から2021年11月の2年間に,当院で脂質4項目の依頼のあった中でTC値差が ±25 mg/dLを超えた症例から58例,±25 mg/dL以内であった症例から8例をそれぞれ無作為に抽出し,精査を行った。精査として,コレトリコンボ,リポフォーによるリポタンパク電気泳動の実施およびリン脂質,遊離コレステロールを測定した。その結果 +25 mg/dLを超えた48例のうち16例にLP-X,19例にLP-XまたはLP-Yの存在の可能性があり,1例にslow αを認め,12例は異常リポタンパクの存在を肯定できなかった。−25 mg/dLを下回った10例は全てTG値が300 mg/dL以上であった。また上記以外で±15 mg/dLを超えた事例で測定の不具合,HDL-Cの異常反応の検出にも寄与した。TC値差を管理することで異常リポタンパクの検出に役立つだけでなく脂質4項目のデータ保証にも繋がると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 73 (2), 285-293, 2024-04-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862876079588352
  • DOI
    10.14932/jamt.22-93
  • ISSN
    21885346
    09158669
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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