当院における早朝病棟採血への取り組み

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タイトル別名
  • Initiative for early morning blood draw in the ward at our hospital
  • トウ イン ニ オケル ソウチョウ ビョウトウ サイケツ エ ノ トリクミ

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抄録

<p>2024年4月から医師の働き方改革の新制度が施行される。それに伴い,当院においても医師をはじめ,医療従事者の働き方改革が本格化している。当院で診療科および看護部に対して,検査部に期待するタスク・シフト/シェアの要望調査を実施した結果,早朝病棟採血が高い要望として挙げられた。そこで,検査部は早朝病棟採血を実施した。全病棟を対象とすることは現実的ではないため,最も採血件数が多い病棟をトライアル病棟として半年間,臨床検査技師2名を派遣することとした。トライアル病棟での効果検証を行うために,病棟採血実施前後と運用中に看護師を対象としたアンケート調査を実施した。また,対象病棟の採血取り直し件数について運用前後で比較を行うことで,臨床検査技師による病棟採血業務の有効性を評価した。その結果,臨床検査技師による病棟採血は,看護師による早朝時の患者ケアの充実化をはじめ,有効性が高いことが明らかとなった。また,採血取り直し件数についても大幅な改善が認められた。さらに,担当した臨床検査技師2名は業務終了時間が2時間繰り上がることにより,それぞれのワークライフバランスに則した効果も認めることができた。以上より,臨床検査技師による病棟採血は看護師の採血業務軽減だけではなく,患者にとっても有用であり当院での医療水準の底上げとともに,より良質で安全な医療の提供に繋がると考える。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 73 (2), 386-393, 2024-04-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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