ある在日朝鮮人二世のアイデンティティ―「韓国」に関するナラティブの分析から―

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タイトル別名
  • Identity of a Second-Generation Zainichi Korean: Analyzing Narratives Related to South Korea

抄録

<p>本研究においては,ナラティブ(語り)を会話参与者らが相互行為の中で自己を位置づけながら,協働して語りの世界を構築するプロセスとして捉える.本稿では筆者の家族による「韓国」に関するナラティブにおいて,在日朝鮮人二世である筆者の父親がいかに自己を位置づけるかというアイデンティティの断片を分析していく.分析の結果,本稿で扱うナラティブには,実際に体験した韓国という国を「外国」として捉える自己が表出する一方で,「母国」として捉える自己も浮かび上がり,自己の矛盾が浮き彫りとなる.また,国民国家という枠組みで語らない自己が表出する一方で,韓国国籍を民族アイデンティティと同一視する自己も表出し,国民国家という枠組みで思考せざるを得ない葛藤が垣間見える.このように,ナラティブに表出する自己の矛盾にこそ,在日朝鮮人の生きる姿を捉えなおす鍵が隠れていた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862887140758656
  • DOI
    10.19024/jajls.26.2_51
  • ISSN
    21897239
    13443909
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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