マネジメント論と質的方法 : その親和性、エスノグラフィー、自己エスノグラフィーを中心として

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  • マネジメントロン ト シツテキ ホウホウ : ソノ シンワセイ 、 エスノグラフィー 、 ジコ エスノグラフィー オ チュウシン ト シテ

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抄録

マネジメントという複雑な現象を真の意味で理解・説明・予測するためには、多様な研究方法を通じてマネジメントに迫る必要がある。しかし、研究方法の面からマネジメント論を眺めてみると、マネジメント論は非常に画一的と言わざるを得ない。とりわけ近年の組織行動論の分野では量的研究、中でも質問紙調査が圧倒的であり、質的研究はわずかしか存在しない。マネジメント論の開拓期は今とは違っていた。テイラーやファヨールなど、マネジメント論のパイオニアたちは実務家兼研究者であり、彼らにとってマネジメントの現場は実践の場であり、研究の場でもあった。主観的と言わざるを得ない経験(experience)、観察(observation)、自己内省(self-reflection)を通じて、彼らはマネジメントの一般原則を導き出している。本研究は、研究方法の側面からマネジメント論を吟味したうえで、1)マネジメントの現象を理解・説明・予測するためには、量的方法に基づく仮説検証型の研究を重んじるこれまでのマネジメント論の文化は是正される必要があること、2)例え「部分的真実」しか掴めないとはいえ、より多くの組織エスノグラフィー(organizational ethnography)研究が必要であること、3)研究者そのものが研究対象となる自己再帰的な自己エスノグラフィー研究が必要であることの3点を主張する。

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