心停止寸前となった Stanford A型急性大動脈解離に対するバッグ・バルブ・マスク換気下での必要十分量の心囊ドレナージが有効であった1例

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タイトル別名
  • Minimal pericardial drainage under bag valve mask ventilation was effective in a case of acute aortic dissection of Stanford A type with near cardiac arrest

抄録

<p>症例は79歳,女性。自転車で走行中に胸痛を自覚し転倒,目撃者より救急要請。バイタルサインは血圧70/50mmHg,脈拍84回/ 分,呼吸数18回/ 分,SpO2 98%(室内気),Glasgow Coma Scale E4V3M5で,橈骨動脈は微弱であった。超音波検査で大量の心囊水を確認した直後に意識低下,下顎呼吸となり,大腿・橈骨動脈ともに触知不可となった。心タンポナーデで心停止寸前と判断し,気管挿管に先行してバッグ・バルブ・マスク(以下,BVM)換気下の心囊ドレナージ(以下,PD)を行った。血性心囊水を65mL ほど排液し,収縮期血圧120mmHgへ復帰し,意識も完全回復した。以降は自然滴下のみとした。CT検査から,Stanford A型急性大動脈解離(以下,A型大動脈解離)と診断し手術加療を行った。術後経過は良好で,第48病日,独歩で自宅退院した。心停止寸前のA型大動脈解離に合併する心タンポナーデでは必要十分量のPDは有効で,状況によりBVM換気下PDも検討される。 </p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862931516867968
  • DOI
    10.11240/jsem.27.117
  • ISSN
    21879001
    13450581
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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