2型糖尿病の経過中に高インスリン血症性低血糖を繰り返した膵島細胞症の1例

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タイトル別名
  • Nesidioblastosis With Noninsulinoma Pancreatogenous Hypoglycemia Syndrome in a Patient With Type 2 Diabetes Mellitus

抄録

<p>症例は56歳男性.2型糖尿病で7年前から加療中.循環器科に冠動脈ステント留置目的で入院中に,糖尿病薬休薬中にも関わらず低血糖発作を繰り返した.諸検査にて高インスリン血性低血糖症(早朝空腹時血糖36 mg/dLのインスリン(IRI)値64.3 μU/mL,CPR13.3 ng/mL)の診断となり諸検査施行.画像検査では膵臓に腫瘍は描出されず.数ケ月は観血的検査困難のため,ジアゾキシド投薬にて加療.しかし同薬増量にても次第に低血糖発作が増加.選択的動脈内カルシウム注入試験(以下SACIテスト)で陽性所見が認められ,手術希望されたため手術施行.病理所見はSACIテスト陽性部位に一致した膵島細胞の過形成が認められ,成人膵島細胞症と診断した.2型糖尿病の経過中に成人膵島細胞症を合併するのは稀であるが,膵内に腫瘤性病変が認められない時は,同症の可能性も念頭に置き,術式や治療法を選択する必要がある.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 67 (4), 181-188, 2024-04-30

    一般社団法人 日本糖尿病学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390862931516956160
  • DOI
    10.11213/tonyobyo.67.181
  • ISSN
    1881588X
    0021437X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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