<実践報告>2023年度 盛口ゼミ・しらほサンゴ村での授業実践記録

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抄録

はじめに  石垣島・白保には、空港建設問題をきっかけとし、2000年にWWFがサンゴ礁保全研究センター(愛称:しらほサンゴ村)を建設し、サンゴ礁保全や保全に関わる普及活動、保全と関わる地域づくりなどを行ってきた。沖縄大学は、かつて在籍されていた、環境問題で著名な宇井淳教授の時代から白保と関わりがあり、そのような縁もあって、盛口ゼミでは、2011年より、しらほサンゴ村が主催して、毎年、夏季に行う「やまんぐぅキャンプ」と呼ばれる活動に関わってきた。しらほサンゴ村では、将来、地域の担うことになる子供たちに、地域の自然や文化を体験してもらう活動(白保こどもクラブ)を行っており、その一環として、一泊のキャンプもおこなわれてきたのである。著者はこのキャンプを、将来教員を目指す者の多いゼミ生にとり、学びを深める貴重な場ととらえ、毎回、プログラム内 で2~3回の授業実践を企画する試みを続けてきた。その後、しらほサンゴ村は2021年より白保公民館に移譲され、運営はNPO夏花の手で行われるようになった。また、コロナ禍によりさまざまな対面の活動がはばかられる時期を過ごすことを余儀なくされた。盛口ゼミによる、白保の子供たちへのキャンプ時の授業実践も、2020年は完全に中止、2021年はオンラインと一部学生の現地参加によるハイブリッド方式での半日の実施、2022年は対面方式ではあるものの、キャンプは実施せず1日のみの実施という内容となった。このような経緯がありつつも、2023年度においても、現地のNPO夏花のスタッフとの合議により、何らかの形で子供向けのワークショップを継続していくことが確認され、最終的にはキャンプは行わないが、BBQも含めた2日間のプログラムを実施することが決定した。なお、コロナ以前には日常的に活動していた団体(白保こどもクラブ)に所属している子供たちが対象のプログラムであったが、現在、白保こどもクラブは活動を行っていないため、白保小学校の児童に広く参加を呼び掛けるとともに、しらほサンゴ村内に設置されている学童の子供たちも参加対象とすることとした。なお、白保のワークショップに参加する学生は、毎年3年生のゼミ生であり、4月の授業開始後、ゼミ内で授業を作成する取り組みを続け、当日を迎えた。  今年度の「やまんぐぅキャンプ」は2023年9月9日および10日であり、9日に2時間の授業と交流会、およびBBQを行い(その後、子供たちは帰宅)、10日は海遊びを行って解散した。参加したのは小学校1年から中学生まで合わせて8名の子供たちであった。

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