広範囲の毛細血管拡張から疑い診断しえた血管内大細胞型 B 細胞リンパ腫の 1 例

DOI
  • 岩田 麻里
    愛媛大学大学院医学系研究科皮膚科学
  • 八束 和樹
    愛媛大学大学院医学系研究科皮膚科学
  • 吉田 諭
    愛媛大学大学院医学系研究科皮膚科学
  • 名部 彰悟
    愛媛大学大学院医学系研究科血液・免疫・感染症内科学
  • 濵田 千鶴
    愛媛大学大学院医学系研究科循環器・呼吸器・腎臓高血圧内科学
  • 北澤 理子
    愛媛大学大学院医学系研究科分子病理学
  • 武藤 潤
    愛媛大学大学院医学系研究科皮膚科学
  • 白石 研
    愛媛大学大学院医学系研究科皮膚科学
  • 村上 正基
    愛媛大学大学院医学系研究科皮膚科学
  • 藤澤 康弘
    愛媛大学大学院医学系研究科皮膚科学

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Intravascular Large B-cell Lymphoma : Diagnosis Based on Widespread Telangiectasia

抄録

<p>66 歳,男性。初診の 1 年 9 カ月前に大腿部の毛細血管拡張を自覚し,毛細血管拡張は次第に前胸部に拡大した。同時期より労作時呼吸困難感が出現したため近医を受診し,喘息として治療されるも改善をみとめなかった。毛細血管拡張について,近医皮膚科にてクモ状血管腫が疑われ当院を紹介され受診した。血液検査で LDH の著明な上昇があり,単純 CT で胸膜肥厚や両肺野のすりガラス影と小葉間隔壁の肥厚を認めた。毛細血管拡張部を生検したところ,真皮上層の拡張した血管と真皮中層の血管は大型のリンパ球様異型細胞が充満して内腔が閉塞していた。腫瘍細胞は B 細胞のマーカーである CD20 が陽性で,T 細胞のマーカーである CD4 や CD8 は陰性であったことから,自験例を血管内大細胞型 B 細胞リンパ腫と診断した。本疾患を疑った場合は脂肪織を含むレベルまでのランダム皮膚生検が推奨されるが,自験例のように広範囲の毛細血管拡張を呈する症例では皮疹部の真皮レベルまでの組織学的検討でも十分に診断に至る可能性がある。自験例のように原因不明で広範囲におよぶ毛細血管拡張を認めた場合は,本疾患の可能性もあるため積極的に皮膚生検を考慮すべきである。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 86 (2), 165-169, 2024-04-01

    日本皮膚科学会西部支部

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390863041926505856
  • DOI
    10.2336/nishinihonhifu.86.165
  • ISSN
    18804047
    03869784
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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