親水性—親油性バランス型充填剤を用いる簡便な固相抽出精製による二枚貝中オカダ酸群の精密定量

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書誌事項

タイトル別名
  • Accurate Quantification of Okadaic Acid Group Toxins in Bivalves by Simple Solid-Phase Extraction Clean-up Using Hydrophilic-Lipophilic Packing Materials

抄録

<p>わが国では,下痢性貝毒検査にLC/MS/MSを適用した公定分析法が導入されている.本研究では,この方法の精製操作である固相抽出に親水性─親油性バランス型充填剤(HLB)を適用し,さらに固相に担持した成分の洗浄工程を省略した分析法を検討した.はじめに,ホタテガイを試料とした検討を行った.検討した精製法による処理液と,同濃度の貝毒成分を含む標準溶液をLC/MS/MSで測定したところ,各貝毒成分の面積値の差は−1〜6% であり,マトリックス効果は良好に抑制された.また,真度,併行精度,室内精度,選択性,定量下限は,すべて公定分析法の性能基準を満たした.さらに,認証標準物質を分析した結果,認証値と有意な差がない分析値が得られた.次に,本法をアサリ,カキ,ムラサキイガイの分析に適用した.前述と同様にマトリックス効果を評価したところ,面積の差は−16〜−1% であった.また,真度と併行精度は性能基準を満たした.以上から,本法は簡便でありながら,良好な精確さを有することが確認された.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 73 (4.5), 185-191, 2024-04-05

    公益社団法人 日本分析化学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390863097401523200
  • DOI
    10.2116/bunsekikagaku.73.185
  • ISSN
    05251931
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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