「共生社会」の社会的認知の様態と背景、およびその経年変化

書誌事項

タイトル別名
  • Forms and Backgrounds of Social Perceptions of the term “Society of Coexistence” and its Changes over Time
  • Analyses of the Results of Societal Awareness Surveys Focusing on 'Kyosei' and 'Education'
  • 「共生」と「教育」に注目した社会意識調査の結果分析を通して

説明

本研究は、「共生社会」という言葉の日本社会への浸透状況を提示し、この言葉の認知の様態と背景を、回答者の教育経験との関連に注目しつつ、分析するものである。筆者は2010年以来、同様の調査デザインによる社会意識調査を6回実施しており、本稿では同じ内容の調査項目の経年変化を提示する。 本稿の知見は3点に総括される。第1に、「共生社会」という言葉が理解される度合いは、日本社会のなかで全体的には増加傾向にある。また、「共生社会」を理解することは、社会認識の視野を広くもつことと関連する。 第2に、その一方で2019年時点と2023年時点の調査結果を比較すると、「共生社会」という言葉を「意味も知っている」とする回答者の割合は低下し、「聞いたことがない」とする回答者の割合が増加している。「コロナ禍」の時期の前後で、この言葉を理解する者としない者とのあいだの社会認識の差が広がっている。 第3に、「共生社会」の認知は教育経験の多寡によって左右される。加えて、回答者の高校時代の学びや経験との関連をみると、知的好奇心や探究を重視した群において「共生社会」についての認識が高まる傾向が示される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390863241225905920
  • DOI
    10.60403/kyoseigakukenkyu.1.0_121
  • ISSN
    27592782
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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