国立予防衛生研究所抗生物質部の足跡:医薬抗生物質に関する社会的・科学的概観

書誌事項

タイトル別名
  • A mini-review on public and scientific activities performed at the Department of Antibiotics, the National Institute of Health of Japan
  • コクリツ ヨボウ エイセイ ケンキュウジョ コウセイ ブッシツブ ノ アシアト : イヤク コウセイ ブッシツ ニ カンスル シャカイテキ ・ カガクテキ ガイカン

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説明

<p>国立予防衛生研究所(予研;現国立感染症研究所)の創立(1947年5月)とともに誕生した抗生物質部(当初は抗菌性物質部)は,組織再編(1992年)により生物活性物質部と改称されるまで45年にわたって抗生物質に関する様々な社会的および科学的な役割を果たした。特に,梅澤濱夫初代部長の31年(1947~78)に亘る強力なリーダーシップの下,初期は国策としてのPenicillin(PC)とStreptomycin(SM)の高品質製品の大量生産と安定供給を担い,続いて独自に発見したKanamycin(KM)など重要な医薬抗生物質に関する基盤研究や開発研究を展開した。一連の活動は,各種感染症に対する医薬抗生物質を供給し,わが国の抗生物質業界を育成・発展させ,抗生物質研究を世界レベルへ押し上げることに大きく貢献した。例として,KMなどアミノグリコシド系抗生物質に関連して,耐性菌の耐性機構,生産菌(放線菌)の遺伝生化学的研究など世界をリードする研究が展開されたことを上げることができる。一方,日本抗生物質医薬品基準の策定に貢献し,医薬抗生物質の国家検定業務を担った。抗生物質以外の生物活性物質についても重要な研究が展開されたが,本稿では抗生物質を中心に予研抗生物質部の足跡を概観する。</p>

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