「弱い」内閣、「強い」議会

書誌事項

タイトル別名
  • “Weak” Government and “Strong” Parliament:
  • ―イタリアにおける議院内閣制と二院制
  • Parliamentary Government and Bicameralism in Italy

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説明

<p> イタリアの議院内閣制と二院制の関係は、「弱い」内閣と「強い」議会に特徴付けられる。内閣は上下両院から信任を受けて成立するが、内閣は議会を解散できない。同輩中の首席である首相が率いる連立内閣は不安定で、議会多数派の凝集性も低かった。他方で政権から排除されていた共産党は議会の決定過程に参加できていた。第2共和制に入ってからは左右の2極化が進み、選挙で勝った選挙連合が政権連合として政権を担い、政権交代も実現した。しかし、連立内閣の不安定性と議会多数派の凝集性の低さは変わらなかった。2013年、2018年両院選挙では、勝者が出ず、選挙後に政党間で連立交渉が行われるようになった。そこでは大統領の役割も重要である。第1共和制のコンセンサス・モデルからウェストミンスター・モデルへの移行をめざして上院の権限縮小を中心とする制度改革が議論されているが、前提となる政党システムが脆弱な状況では、ウェストミンスター・モデルへの移行は困難であろう。</p>

収録刊行物

  • 年報政治学

    年報政治学 74 (1), 1_123-1_149, 2023

    日本政治学会

参考文献 (2)*注記

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